ハザードマップ作成支援

手づくりハザードマップ作成支援

はじめに

愛知県では、大規模な水害が発生した場合の最大浸水深を示す「洪水ハザードマップ」を各市町村が発行しています。しかし、安全な避難には、日頃から自分の身の回りの水害に対するリスクを知りることと、そして万が一の場合は実際に水害が発生するよりも前の早めの対応が重要です。

手づくりハザードマップの重要性

市区町村が発行するハザードマップがその市区町村全体を俯瞰しているのに対し、この「手づくりハザードマップ」は、自分の家の周辺や通学路、近くのお店への経路など自分たちの日常生活に身近な地域を対象に、まだ避難できる早期浸水状況を把握することで、安全な避難ルートやタイミングを考えるためのものです。
そしてそのハザードマップを、地域住民が主体的に自分たちの目で見て、自分たちの手で作成することで、より効果的な防災対策につなげることができます。

NPOによる支援

私たち「特定非営利活動法人 地図で防災・まちづくりサポート」は、愛知県の「みずから守るプログラム地域協働事業」の支援団体として、自治体や住民が取り組む手づくりハザードマップの作成を支援しています。
とくに、職業として地図制作に携わったスタッフのノウハウを活かし、見やすくわかりやすい地図作りを心掛けています。

手づくりハザードマップ作成のメリット

・早めの避難行動を促し、被害軽減に貢献
・地域住民の防災意識向上
・コミュニティ形成の促進

手づくりハザードマップ紹介動画

「手づくりハザードマップ」は、愛知県が推進する「みずから守るプログラム」の一環です。
地域住民が主体となり、水害時の早期避難を目的としたマップを作成します。この動画では、愛知県豊山町を例に実際の作成過程を3分で紹介します。

プログラムの進め方の事例

プログラムの概要

地図で防災・まちづくりサポートでのプログラムの進め方を豊山町を事例に説明します。
プログラムは2日間で計5時間程度のプログラムです。

1日目:勉強会(約50分)

1日目の勉強会の様子

1日目はまず最初に勉強会としてNPOのスタッフが「地勢と過去の水害」「ハザードマップについて」「手づくりハザードマップの作り方」などを説明します。

1日目:まち歩き(約50分)

1日目のまち歩きの様子

自分の住んでいる地域別にいくつかのグループに分かれて地図を見ながら歩くコースを確認します。NPOのスタッフが各グループについてサポートします。
コースを確認したグループからそれぞれまち歩きに出発します。
避難場所や通学路の確認、避難する際に危険な箇所など雨が降り続いて道路の水没が始まっている状況を思い描きながら住み慣れた地域を改めて歩いてみると、普段見えないものが見えてきます。
必要に応じて写真なども撮っておきます。

1日目:ワークショップ(約50分)

1日目のワークショップの様子

マップのまとめ方の説明を聞いたあと、避難の際の危険箇所や注意事項について話し合い、まち歩きで確認したことや発見したことなどを白地図に書き込んでいきます。
時間があれば各グループでの発見を全体に共有します。
次回(2日目)の予定も共有します。

NPO:確認用ハザードマップの作成)

NPOでは1日目で白地図に書き込まれた各グループごとの情報を1枚の確認用ハザードマップとして印刷物を作成します。

2日目:ワークショップ(約60分)

2日目のワークショップの様子

確認用ハザードマップを見ながら1日目に書き込んだ内容の確認、追加、修正、掲載する写真の選定とともに、手づくりハザードマップを見る人に伝えたいコメントなどを記入します。

2日目:全体会(約60分)

2日目の全体会の様子

手づくりハザードマップの活用方法の検討、地域の課題や地域でとるべき行動、避難のタイミングなどを各グループ代表者が発表し、全体で情報を共有します。

手づくりハザードマップの完成

誤字や記載漏れなどがないか何度も慎重に点検をおこなって、ついに地域の皆さんのコメントやまち歩きで撮った写真が載った印刷された手づくりハザードマップが完成します。

2023年度の成果品(表面)
2023年度の成果品(表面)

様々な記号が何を示すのかをわかりやすく凡例にまとめています。

2023年度の成果品(表面の下部を拡大)
2023年度の成果品(表面の下部を拡大)


地図の裏面には危険箇所の写真をふんだんに掲載することで、リスクを具体的にイメージすることができます。

2023年度の成果品(裏面)
2023年度の成果品(裏面)

一緒に安全な地域づくりを目指しましょう

NPOの支援実績

愛知県西春日井郡豊山町で2022年度より支援活動をおこなっています。
2023年度以降の実績レポートは下記(ブログ記事)をご覧ください。
手づくりハザードマップ2023
手づくりハザードマップ2024(前編)
手づくりハザードマップ2024(後編)

よくあるご質問(Q&A)

活動の主体は誰ですか?

ハザードマップ作りの主役は、地域に暮らす住民の皆さんです。
自治会や自主防災会などが中心となり、地域の皆さんと一緒に取り組みます。

どんな支援が受けられますか

地域協働事業に申し込むことで以下のような支援が受けられます。
・市町村
  講師、白地図提供など
・防災NPO(私たち)
  司会進行、ハザードマップ作り方の説明、防災アドバイス、まち歩きの同行、マップの印刷など
・県(建設事務所)
  実施費用の支援
※詳しくは愛知県の公式ガイドライン・実施要項をご覧ください。

どうやって申し込むのですか?

まずは、お住まいの市町村の担当窓口に確認し「地域協働事業」への申し込みを行います。
もし、
・どこに相談すればいいかわからない
・申込みの方法が不安
といった場合は、私たち「地図で防災・まちづくりサポート」までお気軽にご相談ください。
準備の段階からしっかりサポートいたします。

費用はどれくらいかかりますか?

「地域協働事業」に申し込むことで、愛知県から費用の支援を受けることができます。
そのため、地域の負担は最小限に抑えられます。。
詳細は愛知県の「みずから守るプログラム地域協働事業支援額」のページを参照してください。

市町村のハザードマップと何が違うのですか?

市町村発行のハザードマップが市町村全体の広域をカバーしているのに対し、手づくりハザードマップは自宅周辺や通学路など身近なエリアの危険箇所をより詳しく表示します。

地図で防災・まちづくりサポートに依頼するメリットは?

私たちは「地図の専門家」です。地形図や古地図など様々な地図を読み解くノウハウを活かして、地域ごとの防災リスクをわかりやすくお伝えします。
また、地元の皆さんが楽しみながら使いやすいハザードマップを作れるようサポート体制も充実。
地域協働事業の支援の範囲内で、本格的で見やすい手づくりハザードマップをご提供しています。

もっと詳しく

手づくりハザードマップについて

愛知県の公式サイトでは、手づくりハザードマップの概要や地域で取り組むためのプログラムの進め方がわかりやすく紹介されています。ぜひご覧ください。

手づくりハザードマップ(愛知県建設局河川課)

みずから守るプログラムについて

愛知県は、水害時に自ら身を守ることができる住民層を育むため、「みずから守るプログラム」を推進しています。手づくりハザードマップもその一貫。
「みずから守るプログラム(通称:みずプロ)」については、愛知県の公式サイトで詳しく紹介されています。
みずプロの取り組みを紹介する動画や、地域協働事業ガイドラインや各種関連資料がダウンロードできるダウンロードライブラリーも充実しています。ぜひご覧ください。

みずから守るプログラム(愛知県建設局河川課)

NPOへのご依頼

手づくりハザードマップ作成にご興味のある自治体や地域住民の方はお気軽にご相談ください。